金山が上山デザイナーとお会いできたのは、初めて「セモー」のシャツに袖を通してから3年が経ってからのこと。先輩バイヤーに連れられ、東京のアトリエへ訪れる機会を得たのです。
金山が心を躍らせたのは、ずらりと並んだsemohのコレクションのアーカイブ、そしてアトリエの隅にあった1脚のチェア。「マルセル・ブロイヤーの名作・ワシリーチェアでした。ひと目見てすっかり虜になってしまった僕に、上山さんはプロダクトやデザイナーにまつわる話を色々してくれました。建築に対する造詣がとても深く、デザインのインスピレーション源を名建築から得ることもあれば、ビンテージマンションで暮らす女性を思い浮かべ、デザインを想起することもあると聞いて。semohのデザインの“深さ”の理由を知ることができました」
一点一点ハンドメイドで作るh’eresのアクセサリーだからこそ、「家具や建築へ向けるような“美意識”もクリエイションに取り込みたい。上山さんから受けた感銘は、僕とh’eresに流れるDNAの一部です」と金山は続けます。「引き合いに出すのはおこがましいかもしれないけれど、上山さんがsemohで知識や経験をもとにロジカルでコンセプチュアルに突き詰めているのなら、僕はそこで敵わない分、here’sでは時代感に合わせた感覚を素直に表現している。どちらもデザインはミニマルだけれど、裏側にあるクリエイションへのアプローチは真逆。だからこそ一緒にモノ作りをしたら、すごい化学反応が生まれるんじゃないかと考えています」。
金山がデザイン画を描き、上山がパターンに起こしたコラボシャツは、大ぶりのカフスがジェンダーレスなムード。ワシリーチェアに腰掛ける女性が着想源です。付属のベルトにはh’eresのハンドメイドスタッズを散りばめることで、無造作が作り出す違和感を忍ばせました。
h’eresとsemohのコラボレーション第一弾は、8月13日にシャツ,ベルトの予約販売を開始します。ご期待ください。